

東京科学大学理工学系漕艇部の漕手、コックス、マネージャー、トレーナー達による日常紹介
主務兼COXの2年、川島元希です。
普段主務をしている自分が、全日本新人では最初で最後(?)の大会に出場しました。COXとしての振り返りはまた後ですることにして今回は全日本新人の舵手付きフォアOKAZAKIについての振り返りをしたいと思います。
まずは戦績から。
OKAZAKIは準決勝敗退という結果になりました。 東工大は全クルー最終日進出を決めることができてよかったです。 OKAZAKIのクルーは、1年生がメインのクルーでありながら最終日に残ることができたことに自信を持つことができました。また、今後どこまで伸ばさないと行けないのかも明確になった大事な大会となりました。
このような結果になった練習と大会本番についてそれぞれ振り返っていきたいと思います。
まずは練習から。
東日本新人はエイトで出漕したので、付きフォアとしての練習期間は2週間。それにもかかわらず、充実した練習ができ、素人目から見ても、クルー編成直後の漕ぎと全日本新人直前の漕ぎの差は歴然でした。
新人クルーに毎日ついて指導してくれた新人コーチやビデオを見てアドバイスをくれた先輩クルーの言葉を個人個人が意識して改善していった結果だと思います。
これからもハンズやシートの合わせや、フィニッシュを押し切ること、前を向くこと、フェザーをしっかりすることなど、個人個人の悪い癖を意識し続けて直していってほしいなと思います。
あと練習以外の部分もちょっとずつですけど成長していったのがよかったですね。ケローの時間を守るとか、飯をしっかり食べるとかそういうところが日に日によくなっていきました。これからも、こういう当たり前のことがきちんとできるチームになっていきたいですね。
毎日伴チャして指導してくれた新人コーチの皆さんや、対抗フォアのコックスでありながら夜遅くまでコックスのことについて教えてくれた水谷君はじめ支援してくれた方々にはこの場を借りて感謝したいです。ありがとうございました。
次に大会本番の振り返りについて。
1日目は一年生が東工大クルーのみで編成されたクルーで初の2000mレース。そして自分が初の大会出漕ということで、無事に試合を終えられるかが心配でしたが、結果としては大阪公立Bに勝つという目標でしっかり勝ち切り、他大と戦えるという自信につながりました。
2日目は予選通過タイムがOKAZAKIと0.18秒差の金沢大学に勝つことが準決勝へ進む条件でした。
大会前は僕含めクルー全員が緊張していましたが、レース前のアップからいつも合わないシートがしっかりあって、石橋君は勝ちを確信していたようです。こういう「勝てるイメージを持つ」って大事ですよね。
レースが始まるとアップ通りスタートからバチッと合い、スタートから金沢大学にリードすることができました。その後も理想的なレートを保ち、個人個人も普段言われてきたことを意識して、緊張も相まって、今までで一番きれいな漕ぎだったように思います。
結果スタートで出た差を保ち、金沢大学に勝利。
やっぱり勝負に勝つって気持ち良いですね。
そして3日目。格上相手に前半ついていき、相手が落ちてきたら刺す作戦でしたが、なかなかついていくことができず、準決勝敗退となりました。
気持ちで負けていたこと、雨で寒さ対策不足、個人個人がバラバラになってしまったことなど課題が残る結果でした。
振り返ってみましたが、次につながる大会となってよかったと思います。僕のコックス人生は無事終わりましたが、他のみんなはこれから長いようで短い冬練に入ります。頑張ってほしいですね。
こんにちは。2年漕手の小岩泰治です。
全日本新人が終わり、数億年ぶりのオフを満喫したいところなのですが、大学の授業と課題がそうはさせてくれません。他大のボート部の友人はこのオフで海外旅行に行っているというのがなんとも羨ましい。
さて、というわけで今回は、先週末行われた全日本新人ローイング選手権のふりかえりを書いていきたいと思います。
まずは結果の報告から。
▶男子舵手付きフォアA 利根(水谷、石羽、濱田、安間、大石)
準決勝進出
▶男子舵手付きフォアB Okazaki(川島、東崎、石橋、奥田、西)
準決勝進出
▶男子シングルスカル Hannibal(小岩)
総合12位
フォアAは、艇のトラブルや体調不良で、思うように練習できない期間が長く、悩みや葛藤も多かったことでしょう。そんな中で諦めずに練習を続けて本番まで漕ぎ着けたことが報われた結果なのではないかと思います。
フォアBは1年生主体のクルーですが、こちらも最終日進出の大健闘。漕手4人の中では唯一2年生の西を中心に、ストイックな練習をこなしてきたことは本当にすごいことだと思います。
フォアの練習についてはまた他の人が詳しく書いてくれると思うので、そちらをご期待ください。
ここからは、僕自身の全日本新人までの取り組みを振り返っていきたいと思います。3000字超の長文になってしまったので、大学の講義中の暇つぶしとかでない限り全部読むのはあまりお勧めしません。時間がない方は最後の部分だけでも読んでいただけたら泣いて喜びます。
1.東日本新人期間
9月のインカレはエイトで大惨敗、体力も練習量も全てが足りなかったと痛感しました。
他大に勝てるようになるための第一歩としてまず、この1ヶ月はどこにも負けない練習量をこなしたい。そう思って練習メニューを組み、練習を始めました。
医科歯科大の谷内主将に、1ヶ月間シングルの練習を一緒にして頂くことを快諾していただき、ほぼ毎練習でシングルを並べていたのですが、このおかげで練習の質がとても上がったと思っています。
シングルの経験も技術も豊富な谷内さんに、スプリント能力で最初は圧倒されましたが、並べの練習のおかげで僕もスパートの技術が上がり、レース戦術の引き出しが格段に増えたと感じています。どんなレース展開になっても対応できると自信を持って、東日本新人選手権に臨むことができました。
そして迎えた東日本新人では、上手くいかなかったことも多かったものの、決勝レースでは谷内さんに鍛えられたスタート先行力にものを言わせて有利にレースを進めました。最後は運にも助けられながら優勝、全日本新人に向けて良い流れができたと思います。
2.全日本新人期間
東日本新人が終わると全日本新人まであと2週間。思ったよりもずっと速く過ぎ去ってしまった期間でした。
東日本新人が終わると同時に大学の夏休みも終わり、最初の1週間は練習時間の確保に苦労しました。結果、最低限の練習ができたといった感じでしたが、本当に他大よりも強くなるためには、この期間でも練習量をもっと確保しなければいけなかったというのが反省点です。
とはいえこの期間では2000m実戦形式の練習が4回ほどできて経験を積めたことが、本番に向けた強みになったと思います。
3.全日本新人1日目(予選)
予選の相手は、インカレ2位、U19日本代表、全日本3位、という3人。「死の組」に入ってしまいました。
絶対に格上だと分かっていながらも、スタートの先行には自信があったため、とにかく最初飛ばしてトップに立とう、そこからついて行けるところまで並んでいこうと決めて予選に臨みました。
結果3着。しかし、ここで前半飛ばすレースが展開できたこと、また調子良かった時の漕ぎの感覚を取り戻せたことが、2日目以降のレースに繋がったと思います。
4.全日本新人2日目(敗者復活戦)
同期5人が乗るフォアは予選を1位通過したため、同期のほとんどが2日目は休んでいる中1人で敗者復活戦のレースをしないといけないという状況で、正直かなり孤独でした。また、ここで負ければ1人だけ最終日に行けないことになってしまうので、かなりプレッシャーを感じていました。
敗者復活戦に回った36人の中では予選タイム7位だったため、組み合わせでは有利な組に入ってはいたものの、プレッシャーからかなり弱気になっていたと思います。スタートにつけるまでの気持ちでは完全に相手に負けていました。
それでも、レースがスタートしてみれば、そんな気持ちも吹っ切れて、練習してきたスタートを確実に決めて先行します。気づけば1000mの通過タイムは3:41と、ほとんど1000TT自己ベストくらいのタイムで前半漕いでしまいました。それでも辛さはそれほど感じることもなく、落ち着いて最後まで漕ぎ切って無事に準決勝進出を決めました。
5.全日本新人3日目①(準決勝)
敗者復活戦のプレッシャーと比べ、準決勝はただ勝ちたいという気持ちで臨めて、純粋にワクワクする気持ちでレースに向かえたと思います。
とはいえスタート地点で横を見れば相手は実業団と私大と高校生トップスカラーで、相手の雰囲気に圧倒されそうになりました。
そして、この大会で僕が一番悔やんでいるのもこのレースです。
スタートはいつも通り決まり、2番手の日大とほぼ並ぶことができました。その後コンスタントでもリラックスした良い漕ぎができ、ずっとカンバス差で日大を追います。
そして残り600mといったところ、日大に並びかけました。ここでは僕にはまだ余力があり、この時は完全に流れが僕にあったと思います。
日大を差せばB決勝、入賞。4番手の東経大との差は2艇身ほど。
ここでアタックをかけてB決勝を取りに行くか、しかしそれでミスをすれば4着になってしまう。
それとも確実にC決勝を取りに行くか。
そんな迷いが生まれてしまい、そして、安全にC決勝を取りに行ってしまいました。
後から思えば、なにがなんでもB決勝を取りに行かないといけなかった。リスクはあってもアタックすべきでした。
絶対に上を目指すという気持ちが、相手にはあって僕には無くて、そこで負けてしまったのだと思います。
6.全日本新人3日目②(C決勝)
最終日2レース目、C決勝。
準決勝のタイム順では4人の中で最下位でしたが、ここまでの3レースはどれもスタートが決まっていて良いイメージができていたため、自信を持ってレースに臨みました。
しかし、予想より高かった波の影響を受けてスタートで先行できず、相手が見えない苦しいレース展開になります。その後も全く競ることができず、逆転の機会を作れないまま4着となってしまいました。
1日2レースの日程への対応や、2レース目の練習水域の使い方などを工夫すればもっと良いレースができたかもしれないと、反省点が多かったレースでした。
最後のレースであっさり負けてしまい、応援してくれた方々には申し訳なく思います。
今回は、本気でA決勝を目指して練習して、初めて全日本の大会の最終日に残ることができ、強豪校とレースをしたことで、本当に色々なことを学びました。
インカレまでよりもとにかく練習量を求めて練習した結果、大会本番では前よりも自信を持ってレースができました。また沢山の強い相手と対戦させていただきましたが、誰に対しても、何かしらの勝機は見出せる気がしました。
強豪校のクルーはもしかしたらこんな気持ちでレースしているのかもしれない、という世界を少し知れた気がします。
こうして練習していけば、いつか東工大も全日本で勝てる日がくるかもしれない、自分たちは絶対勝てないわけじゃないと、可能性を感じた大会でした。
もちろん、まだまだ強豪校とは大きな差がありました。僕にとってB決勝やA決勝は夢の舞台で、強豪校にとっては当たり前の舞台です。こうしたメンタルの差を埋められないと、今回の準決勝のような負け方をしてしまうのだと思います。
最後になりますが、今回の大会の準備では本当に沢山の方々にお世話になりました。
1ヶ月間ほぼ全ての練習メニューを一緒にこなしてくれた谷内さん、
練習の伴チャから本番の応援まで全てこなしていただいた清水光之介さん、
色々と支えてくれた東工大のみんな、
当日応援してくれた皆さん、
本当にありがとうございました。