朝のアラームが3回鳴って、ようやくベッドから体を引きはがす。
スマホを見ると、時間はギリギリ。“あと5分”という甘えを捨てて、寮の廊下をスリッパの音を響かせながら食堂へ向かう。
味噌汁の湯気を見ると、「今日も始まっちまったな」という気分と同時に、ちょっと安心する。みんな同じテンションで一日を始めてる感じがして、嫌いじゃない。
1限の教室はほぼ無音。教授の声だけが淡々と流れる。
でも、頭の中では“化学の反応機構”よりも、“次の休み時間まであと何分か”の方が優先されがちだ。
黒板にずらっと並ぶ化学式。
「人間の脳はこんなに朝から文字を処理できるように進化したっけ?」と自問しながらノートをとる。
それでも、理解できた瞬間が少しだけ気持ちいい。
この “わかった” の積み重ねが、自分をどこかに連れていってくれる気がしている。
学食の唐揚げ定食。もう何回目かはわからないけど、安定感だけは神。
たわいもない会話をしながら、午前の疲れを笑いに変える。
午後の授業が眠くなるのは、正直もう運命みたいなもの。
だからこそ、この昼の時間だけはしっかり心をリセットするようにしている。
午後は眠気との殴り合い。
教授の声が子守唄に聞こえる瞬間が何度もある。
でも、一人で黙々と課題を進めてる時間だけは嫌いじゃない。
パソコンのキーボードを打つ音が、なんとなく心を整えてくれる。
夕方、寮へ戻る頃にはようやく一日のギアがまた落ち着いてくる。
それぞれの部屋に灯りがついて、生活音が聞こえてくる瞬間が、なぜか落ち着く。
夜ごはんを食べて、少し笑って、そしてまた机に向かう。
やらなきゃいけない課題は終わらないけど、やった分だけ確かに進んでいる。
一日を振り返ると、特別なことなんて何もなかった。
でも、こういう日を積み重ねた先にしか、自分の未来はない気がしている。
眠いし、忙しいし、正直しんどい日もある。
だけど──
「まあ、悪くない。」
そう思えるだけで今は十分だ。








