こんにちは。今回のインカレで引退しました、2025年度主将の小岩泰治です。
気づけばインカレから3週間が経ってしまいましたが、インカレが終わってしまった実感がありません。
なんとか最終日に残りたいと思って、予選上がりは厳しくても敗復で絶対に勝とうと、敗復の一発勝負を勝ち抜くことを
本番まで何度もイメージしてきました。それでも現実は厳しく、敗復のレースはあっけなく終わってしまいました。
写真提供/JARA広報
正直、今回のインカレを、そして今年度をどう総括するべきか分からずにいます。ですが今回のブログでは、自分なりの振り返りを書いていきたいと思います。
暗い話ばかりにしたくもないので、まずは前向きなことから書きます。
東京科学大学理工学系漕艇部は、この1年間で大きく成長できたのではないかと思っています。
ここ数年では最高のタイムを記録して、かつての強かった東工大に追いつくのも夢ではないところまで来ていました。
去年は全く並ばなかった相手とも競ることができました。おそらく去年は他大学から対戦相手として認識されていなかったのが、今年は緊張感のある相手だと思ってもらえていたのではないかと思います。(実際のところどうかは聞いてみないと分かりませんが、そう思うことにします。)
これらは決して、偶然ではなかったと思います。
去年のインカレでの大敗を受けて、僕たちは色々なことを変えてきました。
まず練習メニュー。とにかく去年よりもハイレートで漕ぐ距離を増やそうと組んだメニューは、おそらくうまくいっていたのではないかと思います。冬練では多くの選手がベストタイムを出しました。水上パフォーマンスは、去年までは調子の上下が激しかったのが、今年は調子悪い時でもそれなりのパフォーマンスが出せるようになりました。
またチームの雰囲気が去年と比べて良くなったのも大きかったと思います。辛くて余裕がない時もポジティブな雰囲気を保ち、互いを大切にする。強いチームには当たり前のことだと思います。去年までできていなかったのが、今年はきちんとできるようになりました。
1年間の中で辞めた選手が1人もいなかったのも、実は大切なことだったと思います。
これらの実績は決して僕が作ったものではなくて、むしろ僕ができなかった部分を周りが埋めてくれた結果だと思います。
実力が伸びたのは一人ひとりが毎練習追い込んでくれたおかげです。僕が組んだメニューから期待される以上に、みんな実力を伸ばしてくれました。
そして、なんだかんだ周りが見えていない僕に代わって同期たちが後輩に気を配り、良いチームを作ってくれていました。
本当に、優秀な同期と後輩に恵まれたなと思っています。
それでもやはり悔しいです。
やってきたことの方向性は間違っていなかった。それでも、細かな部分の綻びが少しずつ積み重なった結果、他大に負けてしまったのだと思います。
毎練習あと1周長く漕いでいれば。
みんなで遊んだ時間を少しでも、漕ぎの研究に費やしていれば。
もっと体調管理に気を配っていれば。
特に最後の3ヶ月間、断続的にパンデミックが続いてしまったことは悔やんでも悔やみきれません。これがなければ今回の結果はまた違ったものだったでしょう。
これらのことは全部、自分が主将として立ち上がれば変えられたことでした。
手を抜いたつもりはありませんでした。その時その時でベストを尽くしてきたつもりです。それでも、振り返ってみれば、もっとできたことはたくさんありました。
あと1年あれば、今回の反省をきっちり生かすことができれば、どれくらい強くなれるだろうか、と考えずにはいられません。
今までで一番本気になれた大会で負けて、沢山のことを学んで、それをどのように生かせばいいのか、自分の中でまだ答えは出せていません。
それでも、チームはもう既に来年度に向けて動き出しています。
新人戦までの間は3年生の後輩たちとフォアを組んで、新人戦の対校フォアと並べて練習することになりました。
新人戦に出るクルーは、夢を託すというありきたりな表現がぴったりな後輩達です。僕の代で達成できなかったインカレ最終日という目標を彼らが達成できるよう、少しでも彼らが強くなることに貢献できるように、まずはこの2ヶ月間は僕もまた全力で漕いでみようと思います。
最後に感謝の言葉で締めくくりたいと思います。
4年間この競技を続けることは決して1人の力でできたことではなくて、ここまで来られたのは本当に周りの人に恵まれたなと思っています。
まず同期たち。せっかくなので一人一言ずつ書きます。
濱田は書くことがありすぎるけどまずは、チームの中で一番エルゴが回るという立場にいる中でエイトに乗ってくれたことに本当に感謝しています。小艇で勝負したい気持ちももしかしたらあったかもしれないけど、濱田が乗ってくれたおかげでチームが一つになれたと思います。
石羽は、上手く言えないけど、話していて安心する人でした。大事なところで味方になってくれてすごく心強かった。上手く言えないけど。溢れ出る人たらし感はなんとか見習いたいです。
安間とは本当に本当にくだらない話をいつもしていました。そんな一方で練習の時に見せてくれるストイックな姿勢は本当にすごいなと思っていて、いつも刺激をもらっていました。最後の1年間はコンディション担当として、僕が持っていない知識をたくさんチームに還元してくれたことにも感謝しかありません。
西はいつも意見が合わないことも多かったけど、お互い運動経験が少ない中からボートを始めたということもあり、考え方のコアの部分が結構似ているような気もしていました。思えば2年前はずっとシングルで練習していて、モチベーションを保つのが難しい時期もあったと思うけど、諦めず淡々と練習して実力を伸ばしてきたことは本当にすごいと思います。
川島は言うまでもなく尊敬する所しかありません。3年でCOXに転向して誰よりも色々なことを考えて新しいことを試したりして、なかなかみんながついてこなくても諦めずに挑戦し続けてくれて、本当に感謝しています。
大石はクールなようで熱い選手だったと最後の最後に知りました。フォアで活躍する場を十分に作れなかったのは申し訳ないと思っています。そんな中でも後輩たちにいろいろなことを教えてくれてありがとう。
小室は、いつか前にも書きましたが同期を一番大切にしてくれる人でした。マネージャーの立場で難しいこともあったと思うけど漕手のことを常に気にかけてくれて、大会で結果を出せるように全力を尽くしてくれていました。かけがえのないマネージャー長です。
伊澤はこれまで出会った誰よりも仕事ができる人でした。伊澤の優秀さに甘えて色々無理な仕事を押し付けてしまったと思うけど、文句一つ言わずこなしてくれて本当に感謝しかないです。鷺沼から伊澤をボート部に連れてきて良かった。またどこかで一緒に仕事したいなと思います。
次に後輩たち。できないことだらけの主将に最後までついてきてくれてありがとう。色々大切なことを教えてもらったのは僕の方でした。みんなの姿を見て、僕も少しは自分の弱さと戦えたかなと思っています。特に対校エイトに乗ってくれた3人は、4年生中心のクルーの中でも堂々と、タフに練習してくれて本当に頼もしかったです。
コーチ陣の皆さん。毎週のように戸田に来ていただき色々と助けていただき、ありがとうございました。コーチミーティングにどれだけ支えられたかわかりません。そして特に川本監督は練習以外でも、艇庫の掃除や草刈り、全日本の送迎など、もはや現役以上に働いていただきました。監督のように働ける人間になりたいと心から思います。
両親へ。高校から7年間応援してくれてありがとう。最後の大会を見に来てもらえて本当に良かった。結果は最後まで残せなかったけど、少しは成長した姿を見せられていたら嬉しいです。
最後に4年間関わってくれた他大学の皆さん。五大学と医歯学系をはじめ、他大学のみなさんとたくさんお話ししたことでたくさん刺激をもらって、またそれが心の支えでした。
他大学とのつながりがあるのがボート部の最大の魅力だとずっと思っていたし、僕はそれがあったからこそボート部を楽しめたのだと思います。引退してもいつかまたどこかでお会いできることを願っています。
4年間、本当にたくさんの応援をありがとうございました。今後とも科学大理工学系漕艇部への変わらぬご声援をよろしくお願いします。

