後悔だらけ。でも、それでも前に進む
新歓のとき、スケジュール帳は真っ黒。とにかくいろんなサークルを回りまくって、迷いに迷っていた。
そんな僕に先輩がかけてくれた言葉は、今でも鮮明に覚えている。
「君の大学生活がどうなるかは俺にはわからない。でもこれだけは言える。ボート部に入ったことを絶対に後悔させない」
その言葉を信じて、この部に飛び込んだ。
でも正直に言う。後悔なんて、山ほどあった。
積み重なる「もしも」
1年でコックスをやめてマネージャーに転向したこと。
2年で外から口だけで文句を言っていたこと。
3年で主務として改革を試みたけれど、結局うまくいかなかったこと。
「もし1年からコックスを続けていたら…」
「もっと早く本気になれていたら…」
何度そう思ったかわからない。
ボート部にいながら、当事者じゃなかった。
みんなが必死で苦しんでいた時期を僕は知らない。外から「あーだこーだ」言っていただけ。
その浅さが、今になって本当に悔しい。
でも、その後悔が教えてくれたことがある。
- 責任を背負わなきゃ、成長なんてできない
- 一つの目標に我を忘れて突っ込むとき、人はとんでもなく変われる
外から見ていた頃は、軽々しく「A決勝でしょ」なんて言っていた。
でもそんな簡単じゃない。必死に中で戦って初めて、その重さを思い知った。
何度も壁にぶつかって、心が折れそうになった。
でもその日々こそ、僕にとっては宝物だ。
コックスに転向して
正直、無力感に押しつぶされそうになったことは何度もある。
- ブイに当たってばかりで展開もスムーズにできず、逆にクルーに指示される始末。
- エルゴで「声かけはいらない」と言われた瞬間、存在意義を見失った。
- 「エイトで最も経験の浅い自分に、役割はあるのか」そう問い続けた毎日。
それでも。
艇が立ったときのあの爽快感。ベストが続出して「これはいける」と思えたあの高揚感。全日本で競り合った末に味わった悔しさ。東日本で敗北を背負った責任感。
そして何より――
一緒に戦ってくれた仲間の存在。
僕たちは決して仲良しグループではない。艇庫生活してれば嫌なところばかりが目につきイライラすることだって山ほどある。
でも、このチームは良いチームだと思う。
自分が弱気になったとき、
エルゴを倒れるまで漕ぐ仲間の姿に。
次こそはと挑んで負けても諦めず技術を磨く姿に。
それぞれが部のために役割を全うする姿に。
何度も背中を押され、前を向くことができた。
この4年間、仲間と一緒に艇を進められたことが、僕にとって最大の誇りだ。
インカレに向けて
最後の舞台が迫っている。
もう後悔したくない。絶対に勝ちたい。
やることはシンプルだ。
技術も、気力も、体力も――持てるものすべてを、この戸田のコースに置いてくるだけ。
この仲間とだから勝ちたい。
この仲間とだから最後までやり抜ける。
この仲間とだから、僕はどんな状況でも声を張れる。
あのとき先輩が言った「後悔させない」という言葉。
それは間違いじゃなかった。
後悔だらけなのに、なぜか胸を張ってそう言える。
だって今、僕は最高の仲間たちと、最高に熱い舞台に挑もうとしているから。
もう迷いはない。全部ぶつける。
インカレで、俺たちで勝つ。